近年、住宅ローンの固定金利が大きく上昇し、今後さらに利上げが進む可能性が指摘されています。
2024年の金融政策の影響により、これまで安定していた変動金利も上昇する兆しがあり、住宅購入を検討する方々にとっては不安材料となっています。
住宅ローン金利の上昇が続けば、毎月の返済額が増加し、購入をためらう方が増えることが予想されます。
しかし、適切な情報を把握し、効果的な対策を講じることで、安心して住宅購入を進めることができます。
本記事では、過去の住宅ローン金利の推移を振り返るとともに、今後の見通しや、金利上昇に対する具体的な対策について解説します。
これまでの住宅ローン金利の推移
住宅ローン金利は過去10年間で大きな変動を経験しました。
特に、固定金利は2016年と2019年に低下する動きを見せました。
その後、しばらく横ばいが続きましたが、2022年以降は世界的なインフレと長期金利上昇の影響を受け、固定金利が上昇に転じました。
2024年に入ってからも高水準を維持しています。
一方で、変動金利は1990年代の急落以降、長らく低水準を維持してきました。
しかし、2024年の金融政策変更により、今後の動向が注目されています。
今後の住宅ローン金利の見通し
固定金利の動向
固定金利は、10年国債の金利に強く影響を受けます。
2024年7月には10年国債の金利が1.1%に上昇し、12年ぶりの高水準となりました。
この影響を受け、主要銀行の10年固定住宅ローン金利も0.10〜0.15%引き上げられています。
銀行名 | 2024年12月の10年固定金利 |
---|---|
みずほ銀行 | 1.50% |
三菱UFJ銀行 | 1.22% |
三井住友銀行 | 1.95% |
りそな銀行 | 1.805% |
三井住友信託銀行 | 1.605% |
今後も金利の動向を定期的に確認しながら、固定金利の利用を検討することが重要です。
変動金利の動向
変動金利は、短期プライムレートと日銀の政策金利に影響を受けます。
2024年3月にマイナス金利が解除され、7月には政策金利の引き上げが実施されました。
しかし、10月の金融政策決定会合では追加利上げが見送られたため、現在のところ変動金利は据え置かれています。
銀行名 | 2024年12月の変動金利 |
みずほ銀行 | 0.375% |
三菱UFJ銀行 | 0.345% |
三井住友銀行 | 0.625% |
りそな銀行 | 0.390% |
三井住友信託銀行 | 0.48% |
今後の追加利上げの可能性もあるため、変動金利を利用する場合は慎重な判断が求められます。
住宅ローン金利上昇への対策
1. 価格を抑えた物件の選択
金利上昇による返済額の増加を抑えるため、以下のような物件の選択を検討するとよいでしょう。
相場が比較的安いエリアの物件
新築にこだわらず、築浅の中古物件
2. 繰り上げ返済の活用
一部繰り上げ返済を行うことで、総返済額を減らすことができます。
現在、多くの金融機関が繰り上げ返済手数料を無料としており、手続きもオンラインで簡単に行えます
3. 固定金利と変動金利の組み合わせ
全額を固定または変動にするのではなく、一部を固定金利、一部を変動金利にすることでリスクを分散することが可能です。
4. 住宅ローン減税や補助金の活用
住宅ローン減税や補助金を利用することで、実質的な負担を軽減できます。最新の制度を把握し、有効活用しましょう。
まとめ
2024年以降、住宅ローンの固定金利は高い水準を維持しており、変動金利も金融政策の影響で上昇する可能性があります。
住宅ローン金利が上昇すると、住宅購入の負担が増し、慎重に検討する方が増えることが予想されます。しかし、
・価格を抑えた物件の選択・繰り上げ返済の活用・固定・変動金利の適切な組み合わせ・住宅ローン減税や補助金の活用
といった対策を講じることで、金利上昇の影響を最小限に抑えることができます。
住宅購入を検討されている方は、ぜひこれらのポイントを参考にしながら、ご自身に合った最適な選択をしてください。