コロナ禍が長引き、一都三県の緊急事態宣言は延長され新型コロナウィルス感染拡大防止対策の正念場を迎えている状況です。
2020年4月~5月の緊急事態宣言下では、テレワークを強いられる中「オフィス不要論」が台頭し、郊外の小規模オフィスへと社屋移転を行った企業も多く、実際、2021年1月の東京都心5区のオフィスの平均賃料は6か月連続で減少、空室率は11か月連続で上昇という調査結果が出ています。
しかし、テレワークの長期化はオフィスの存在意義を改めて考えさせる契機となっているとの声も上がります。
業種や職種に依っても違いがあるとは思いますが、テレワークではやりにくく、対面でないと難しい仕事も多く、改めてオフィスの重要性に気付かされた方も多いのではないでしょうか?
オフィスが必要なシーンが意外と多いと気が付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでコロナ禍以前から提唱されていた柔軟に働ける労働環境の一つ、ABWに関心が集まっています。
「ABW」(アクティビティ・ベースド・ワーキング)とは、仕事内容、求められる集中力などに応じて、時間や場所を選択できる働き方です。
巷でよく聞く「フリーアドレス」との違いは何でしょうか?
ABWとの大きな違いは、働く場所を「オフィス内」に限定しているかどうかです。フリーアドレスはオフィス内に限定しているため、出社の義務があるという点がABWとの大きな違いといえるでしょう。
テレワークと出社を組み合わせたオフィス整備を行った企業も有るようで、大小さまざまなミーティングスペースを可動パーティションで仕切り、在宅勤務の社員と打ち合わせをする電話ブースやリラックススペースを確保しつつ、パーティションや座席を調整すればぜ全社員が集まれるスペースが出現するという空間整備を行っているようです。
この空間整備は会社の状況に応じて常に変化し、最善の空間を常に提供していくというコンセプトだそうです。
住宅に関しても同じことが言えるのではないでしょうか?
在宅勤務の増加に伴い、自宅では集中できない、気分を切り替えるのが難しいという不満が出ておりますが、元々住宅はワークスペースとして造られていない為、不便さが出てしまうのは些かしょうがない事だとも思います。
現在マイホーム探しをしている方々の間取りに対するご要望をまとめてみると、テレワークやオンライン授業用のワークスペースを確保したいというご要望がかなり多い印象です。
しかし、共働きの子育て世帯となると、ご主人用ワークスペース・奥様用ワークスペース・お子様用スタディスペースと3カ所以上のスペースが必要となり、個別にスペースを確保する事は現実的ではございません。
リビングや寝室などに誰でも利用可能な可変型のスペースを確保する。
その可変性にどの様な技術やアイディアが組み込まれているのか?
その商品力が今後の住宅の売れ行きを左右するのではないでしょうか?