マンションの空き部屋や空き家・自宅の全部又は一部を宿泊用に貸し出す「民泊」
不動産屋の立場で、宿泊費や設備のアドバイスをしてほしいとの事で、本日は友人の所有する古民家民泊予定不動産を見に河口湖周辺へ行ってきました。
甲府生まれの私でさえ「そんな名前の村あったっけ?」という聞き覚えの無い所在地。
河口湖周辺に位置しながら、多くのインバウンドの大きな目的の一つであろう富士山を望むことが出来ないという致命的な欠点がある事から、事前考察では低めの宿泊費査定をしていたのですが・・・
行ってびっくり。不動産屋の私が圧倒される様な不動産でした。
新緑や紅葉の季節の情景が鮮やかにイメージできる雄大な山々を縫って走る物件へのメインアクセス道路。途中夜景の綺麗な甲府盆地や八ヶ岳が一望できるスポットもあります。
懸念していたメイン道路から物件までの田舎道もしっかりと舗装され、3ナンバー車でも十分往来可能です。
友人曰く、静かすぎて耳がキーンとなる程静かな周辺環境は非日常感を感じられます。
駐車場や玄関へのアプローチもインターロッキングでおしゃれに整備済み。
かなり大きめのリビング併設のウッドデッキはこれから始まる素敵な体験宿泊への期待を否が応でも盛り上げてくれるようなアイコンになっており、BBQや子供の遊び場、読書など寛ぎの場所等、利用者の様々なニーズに柔軟に対応できる設備です。夜、このデッキに寝転んで見る星の瞬きは、周囲の暗さと相まって一生忘れられない星空となるのではないでしょうか?
特筆すべきは古い木造住宅の良い部分を残し、現代風にアップデートされた建物。
築50年以上(登記簿謄本上、建築年月日不詳)のリノベーション済古民家です。
玄関を開けるとモダンな雰囲気が一気に押し寄せます。間仕切りを取り払い、ぐるりと見渡せるリビングは30帖に迫る広さで、南側に大きく広めに採られた窓からは日光が差し込み、ウッドデッキと周囲の自然が見渡せます。
機能的なシステムキッチンにリフォームされたキッチンは、コミュニケーションが取りやすいアイランドカウンター付き。普段と異なる、広く機能的なキッチンで、地場の食材を使い、普段作らない様な料理に挑戦してみたくなるシチュエーションです。
天井を取り払い、梁や柱が剥き出しなった梁見せ天井。美しい小屋組は見ていて飽きません。本来天井裏の梁は見せることを想定していないので見栄えの悪い梁が多い事がありますが、この家の梁は味わい深く、しっかりと補修、塗装され、凛とした力強さを感じます。
広いベッドルームを2つ備え、10人以上での宿泊も可能です。
昔ながらの和室があり、そこを取り囲む縁側。夏は窓を開け放ち、浴衣でビールを飲む姿は容易に想像できます。
ホテルライクな浴室・洗面室は当然に綺麗清潔で、広い浴室はお子様とのご入浴も可能なサイズ。
2カ所あるトイレも便利でうれしい設備です。
造りやデザインが素晴らしく、古民家風の内装にとてもマッチした家具調度品の数々は元所有者様がバリにてオーダーメードで製作されたそうです。
この元所有者様、友人の叔父にあたる方らしいのですが、素晴らしいセンスです。
古民家リノベーションは雰囲気を作る事がとても難しく、ともすると和洋折衷・時代交錯のごちゃごちゃ・落ち着きの無いものになってしまう事が多いのですが、年月を重ねてきた重厚さとモダンさがバランスよく融合し、色味やフォルムが計算された家具、調度品・照明がとても心地よい空間を作り出しています。
また古民家はその性質上、自分で維持していくには大変な手間と費用が掛かります。基本部分の古さ所以の故障や不具合が常々発生します。
自己で所有するには手に余る・・いつかは古民家に住んでみたい・・・
という方の居住体験やリノベーション見本として、古民家に気軽に泊まる事ができる民泊というシステムは本当に素晴らしいと思います。
「安く宿泊できる」これが私の民泊のイメージでしたが、この民泊予定不動産をみて「贅沢をするために民泊を利用する」という選択肢の可能性を感じます。
パートナーや家族、気の合う仲間と、贅沢な広さの贅沢な建物の中で、贅沢な調度品に囲まれ、贅沢な静けさの中で贅沢に食事をし、贅沢な時間を過ごし、贅沢に眠る。そんな体験を気軽に選択できる民泊を選ぶということ。
私は今まで「泊まる」という行為は旅行や仕事などの付属行為であり、旅行先や立地、価格でホテル、旅館を選んでいましたが、その施設に「泊まる」と言う事を1番の目的に予定組する旅行も楽しそうだなと感じさせてくれる、そんな民泊予定不動産です。
現在友人は各種許可申請取得に向けて奔走しており、取得後は晴れてAirbnb(エアビーアンドビー)に登録し、宿泊者を募集するとの事なので、まずはこの家の一番目の「お客さん」になりたいと思っています。
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