マイホームを探されている皆様は毎日の様にインターネットで物件情報を検索し、自身の希望に近い物件のお問合せをし、物件の見学などをなされているのではないかと存じます。
当社でも様々な物件に対して、沢山のお問合せを頂きたく日々物件情報更新を行っています。
そんな折、住宅新報という不動産業者向けの新聞記事で「住宅は選ぶことができない。」という記事を閲読しました。
不動産業者とすると存在を否定されたような見出しです。
新聞記事によると、実際に「住んで」みて、他の住宅と「住み心地」を比べる事が出来ないからだ。と
私達、不動産営業マンも住まいを探しているお客様に様々な物件をご紹介し、「選んで」頂くお手伝いをしている気でいます。
価格や立地・学区、土地・建物の大きさ、間取り、築年数、駐車可能台数など各「条件」は比較し、選んで頂くことは可能ですし、大切な事だとも思います。
しかしマイホームは学校に通い、会社に通い、買い物をして、ただ寝に帰る場所ではありません。
家族が笑顔で集まれる、安心して帰れる場所でなくてはいけません。
それには各条件だけでなく、説明し辛い「何か」があるのではないでしょうか?
それこそが「住み心地」なのではないでしょうか?
売り出して間もない中古住宅なので、初めてお客様をお連れしてのご案内です。
売主のご主人様からしたら慣れない事象ですので緊張も相まって、当時購入した経緯、設備やリフォーム状況、周辺環境や眺望、ご近所付き合いについてとても詳しくお客様に説明して頂きました。
はっきり言って私より遥かに優れた「営業マン」です。
私は突っ立っていただけでしたし、ご主人は奥様に「喋りすぎ」と注意されてもいました(笑)
住み心地を体験して頂くという事は、まず不可能な中で、「住み心地」を少しでも理解して頂く為の説明が出来るのは、実際にそこに永く暮らしてきた売主様の人柄や言葉や内外装の状態しか無いのです。
不動産営業マン曰く「この物件は良いですよ。住みやすいです。住み心地抜群です。」ほど根拠の無いものはありませんよね。
実際にそこに住んでいる売主様に「住み心地」を説明して頂く、既に空き家であっても実際にそこに住んでいた売主様にヒアリングし、「住み心地」を説明できるようにしておく。
ここに中古住宅の流通活性化のヒントがありそうです。
新築住宅であれば、その場所で「住み心地」を経験した人が居る筈はありません。
だからこそ各ハウスメーカーのコマーシャルは、機能を謳ったものよりは「その家に住んでいる家族像」を前面に出した「イメージ広告」になってしまうのでしょうね。
ちなみに本日ご案内させて頂いた、甲府市山宮町の中古住宅の売主様の当ご住宅の購入の決め手は「富士山と甲府盆地が一望できる眺望」だそうです。 昼間の眺望も素晴らしいですが、夜の夜景も素晴らしいですよ。
自宅リビングの窓から見えるこんな夜景の中でウイスキーでも傾けたい衝動に駆られます。
この夜景を見たいが為に仕事を頑張り急いで家に帰る。
これこそが説明し辛い「住み心地」の「何か」なんでしょうね。